電子工作入門

【電子工作入門】オームの法則について!

電子工作入門
先生
先生

今回は、オームの法則について説明したいと思います。

■オームの法則について

先生
先生

オームの法則について説明したいと思います。

はじめに

先生
先生

さくらさん「 オームの法則 」はご存じですか。

さくら
さくら

はいっ、理科の授業で教わりました。

確か、「 電気の関係を表す法則 」だったような?

先生
先生

そうですね。

さくら
さくら

「 オームの法則 」って計算とか出てくるのでちょっと苦手でした。

先生
先生

そうですか~。

「 オームの法則 」は、電子工作でよく使用するため、早めに理解しておいた方が良いと思いますよ。

さくら
さくら

えっ!

ちょっと不安です。

先生
先生

オームの法則は、いつもの流れるプールに置き換えてみると、意外と混乱せずに電気の動きを整理することが出来ますし、私もお手伝いするので今のうちに覚えてしまいましょう。

さくら
さくら

先生が教えてくれるなら頑張ってみます!

よろしくお願いします。

先生
先生

よろしくお願いします。

※ 電子工作を進める上で避けて通ることが出来ない「 オームの法則 」ですが、ここで挫折する人も多いと思います。

でも大丈夫、オームの法則がわからなくなったら、いつもの流れるプールに置き換えてみると、意外と混乱せずに電気の動きを整理することが出来ると思います。

ここでは公式や計算が出てきますが、次回以降も説明していきますので、暗記などせずさらりと読み進めてください。

オームの法則とは

先生
先生

オームの法則とは「 電圧・電流・抵抗 」の関係を表した「 法則 」になります。

先生
先生

「 電圧・電流・抵抗 」のうち二つの値が分かっていれば、残りの一つを「 オームの法則の公式 」を使用することにより導き出すことが出来てしまいます。

先生
先生

ここまでは分かりますか。

さくら
さくら

はいっ。分かります。

先生
先生

公式の説明をする前に少しおさらいをしたいと思います。

「 電圧、電流、抵抗 」をアルファベットや記号で表すと、下記になることを以前説明したのを覚えていますか。

抵抗 = Ω(オーム) = R(Resistance)
電圧 = V (ボルト) = E(Electromotive force)
電流 = A (アンペア)= I(Intensity of electric current)

さくら
さくら

はい、覚えています。
図で表すとこんな感じでしたよね。

先生
先生

そうですね。

おさらいも出来たところで、「 オームの法則の公式 」について説明したいと思います。

先生
先生

「 オームの法則の公式 」は、下記の「 オームの法則①(電圧を求める式) 」になります。

オームの法則①

【電圧を求める式】
電圧(V) = 電流(I) × 抵抗(R)

先生
先生

「 ①電圧を求める式 」を先程説明した「 アルファベット 」に置き換えると下記になります。

 V = I × R  →  V=IR 

先生
先生

上の公式は電圧(V)を求める式になりますが、並びを変えれば「 電流(I) 」や「 抵抗(R) 」も計算することが出来るようになります。

オームの法則②

【電流を求める式】
電流(I) = 電圧(V) ÷ 抵抗(R)

オームの法則③

【抵抗を求める式】
抵抗(R) = 電圧(V) ÷ 電流(I)

さくら
さくら

並び順を変えたら「 電流 」や「 抵抗 」の計算もできるようになるんですね~。

先生
先生

そうですね。

先生
先生

オームの法則の公式を覚える時は、下記のような図で覚えると分かりやすいと思うので参考にして下さい。

素朴な疑問??

さくら
さくら

素朴な疑問なんですけど、
「 V=IR 」って「 E=IR 」じゃないんですか?

先生
先生

電圧を「 V 」と表現するのか、「 E 」と表現するのか、どちらが正解なのかということですよね。

さくら
さくら

そうです。

先生
先生

私も疑問に思って調べたことがあるのですが、下記のように所説あるようです。

・Eと言う記号を物理学の方で使っているから同じになってしまう?
・起電力をEで表現するために使っているから同じになってしまう?
・国際規格でVを使うよう決まっている?
・学校の方針や年代で違う?

先生
先生

所説ありますが、結局のところが厳密な決まりはなさそうでした・・・。

先生
先生

私的には「 E=IR 」でも、「 V=IR 」でも、自分が使いやすいほうを使ったらよいと思います。

学校や会社などで、こっちを使って下さいと言われた時、柔軟な対応が出来たらそれでよいのではないでしょうか。

さくら
さくら

そうですね。

ポイント!

・オームの法則とは、電圧、電流、抵抗、の関係を表した法則
・「 電圧(V) = 電流(I) × 抵抗(R) 」 → 「 V=IR 」

■単位について

単位を合わせる

先生
先生

計算を行う時は、電圧(V)、電流(I)、抵抗(R)の単位を合わせるよう注意してください。

さくら
さくら

どういうことですか?

先生
先生

例えば、「 0.5V 」と「 30mA 」の割り算をしたいとき、「 0.5 ÷ 30 」と計算するのは間違えです。

先生
先生

正しくは、「 30mA → 0.03A 」に単位を合わせてから、「 0.5 ÷ 0.03 」と計算するか、「 0.5V → 500mV 」に単位を合わせて「 500 ÷ 30 」と計算します。

さくら
さくら

あっ!「 30mA 」の「 m(ミリ) 」の部分の単位を合わせるってことですね。

先生
先生

そうです。

抵抗も「 1kΩ 」など「 k(キロ) 」や「 M(メガ) 」という単位が後ろについていることが多いため、単位を「 1kΩ → 1000Ω 」など合わせてから計算を行うよう注意してください。

【単位変換の例】

電圧:
0.5V = 500mV、 3V = 3000mV

電流:
0.05A = 50mA、 2A = 2000mA

抵抗:
1kΩ = 1000Ω、 1MΩ = 1000000Ω

■オームの法則(抵抗・電圧の測定)

先生
先生

実際の回路を測定して、オームの法則の計算通りになっているか確かめてみましょう。

回路作成

先生
先生

先ずは、「 抵抗 」「 電圧 」の測定先に行いたいと思いますので、下記に習って回路を作成してみてください。

さくら
さくら

は~い。

使用部材一覧

・抵抗(100Ω)
・乾電池(単三1.5V×2本)
・電池BOX
・ブレッドボード
・ジャンパー線

【抵抗・電圧測定用回路図】

【実際のイメージ図】

※ 電源は測定時以外OFFにする。(電源をONのまま放置しない)

計算

先生
先生

「 実際の測定結果 」と、オームの方式を使用した「 計算結果 」が同じか確認するため、計算を行ってみてください。

先生
先生

今回は答えを書いておきますが、実際に自分で計算すると理解が深まるため、下記を見ながら電卓などで計算してみると良いと思います。

抵抗(R)の計算

先生
先生

「 電圧が3.0ボルト(V) 」「 電流が0.03アンペア(I) 」の時の「 抵抗値(R)? 」を計算してみましょう。

【問】
「 電圧が3.0ボルト(V) 」「 電流が0.03アンペア(I) 」の時の「 抵抗値(R)? 」を計算してみましょう。

【計算】
抵抗(R) = 電圧(V) ÷ 電流(I)
抵抗(R) = 3.0(V) ÷ 0.03(I)
抵抗(R) = 100

【回答】
計算結果:100Ω(R)

※ 0.03A(I) = 30mA(I) 

電圧(V)の計算

先生
先生

「 電流が0.03アンペア(I)) 」「 抵抗が100オーム(R) 」の時の「 電圧値(V)? 」を計算してみましょう。

【問】
「 電流が0.03アンペア(I)) 」「 抵抗が100オーム(R) 」の時の「 電圧値(V)? 」を計算してみましょう。

【計算】
電圧(V) = 電流(I) × 抵抗(R)
電圧(V) = 0.03(I) × 100(R)
電圧(V) = 3

【回答】
計算結果:3.0V

※ 0.03A(I) = 30mA(I) 

計算結果を記載した回路

【計算結果を記載した回路】

測定

抵抗の測定(100Ω)

先生
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では、実際に抵抗の測定を行ってみましょう。

抵抗の測定は、電源を入れない状態で①と②の抵抗値をテスターで測定すればOKです。

【測定手順】

1. 電池BOXの電源OFFを確認する。(電源は絶対に入れないこと)
2. テスターの測定レンジを抵抗(Ω)の最大に合わせる。
3. ①と②にテストリードを当て、抵抗値を測定する。
4. 測定レンジを徐々に下げて行き、200Ωまで下げる。
5. テスターの画面に100Ω程度の値が表示されれば計算通り。

※ 100Ω程度としているのは、測定には誤差が生じるためです。

電圧の測定(3.0V)

先生
先生

電圧の測定は電源を入れるため、十分注意し測定を行ってください。

また、使用しないときは電池BOXの電源をOFFにしてください。

【測定手順】

1. 電池BOXの電源をONにする。
2. テスターの測定レンジを電圧(DCV)の最大に合わせる。
3. ①と②にテストリードを当て、電圧値を測定する。
  ①=プラス、②=マイナスのテストリードを当てる。
4. 測定レンジを徐々に下げて行き、20Vまで下げる。
5. テスターの画面に3.0V程度の値が表示されれば計算通り。

※ 3.0V程度としているのは、測定には誤差が生じるためです。

■オームの法則(電流の測定)

先生
先生

電流の測定は、「 電気の流れ道にテスターを挟み込む 」必要があるため、回路を一か所「 遮断 」したいと思います。

回路作成

先生
先生

電流の測定を行うため、下記に習って回路を作成してください。

さくら
さくら

は~い。

使用部材一覧

・抵抗(100Ω)
・乾電池(単三1.5V×2本)
・電池BOX
・ブレッドボード
・ジャンパー線

【電流測定用回路図】

【実際のイメージ図】

<注意点>
・青の点線部のように、ブレッドボードの溝を利用して抵抗が繋がらないよう注意してください。
・電源は測定時以外OFFにする。(電源をONのまま放置しない)
・①と②は間にテスターを挟み込むため、繋がない。

計算

先生
先生

「 実際の測定結果 」と、オームの方式を使用した「 計算結果 」が同じか確認するため、計算を行ってみてください。

先生
先生

今回は答えを書いておきますが、実際に自分で計算すると理解が深まるため、下記を見ながら電卓などで計算してみると良いと思います。

電流(I)の計算

先生
先生

「 電圧が3.0ボルト(V) 」「 抵抗が100オーム(R)) 」の時の「 電流値(I)? 」を計算してみましょう。

【問】
「 電圧が3.0ボルト(V) 」「 抵抗が100オーム(R)) 」の時の「 電流値(I)? 」を計算してみましょう。

【計算】
電流(I) = 電圧(V) ÷ 抵抗(R)
電流(I) = 3.0(V) ÷ 100(R)
電流(I) = 0.03

【回答】
計算結果:0.03A(I) = 30mA(I)

※ 0.03A(I) = 30mA(I)

計算結果を記載した図

【計算結果を記載した図】

※ 0.03A(I) = 30mA(I)

測定

電流抗の測定(0.03A)

先生
先生

電流の測定は電源を入れるため、十分注意し測定を行ってください。

また、使用しないときは電池BOXの電源をOFFにしてください。

【測定手順】

1. 電池BOXの電源をONにする。
2. テスターの測定レンジを電流(DCA)の最大に合わせる。
3. ①と②にテストリードを当て、電流値を測定する。
  ①=プラス、②=マイナスのテストリードを当てる。
4. 測定レンジを徐々に下げて行き、20mまで下げる。
5. テスターの画面に30mA(0.03A)程度の値が表示されれば計算通り。

※ 30mA程度としているのは、誤差が生じるためです。

あとがき

計算通りに測定できたでしょうか?
うまく出来ないときは、その原因が分かるまで何度もトライすることをお勧めします。

電子工作をしていると「 失敗は絶対にします 」でも、その失敗の原因を追究するのが面白いし、その体験により経験値が一気に跳ね上がります。

上達の近道は、楽しむことと失敗することですので、大いに失敗し、楽しんでください。

ポイント!

・電流の測定を行うときは一旦回路を切り離し、テスターを回路の途中に入れて測定する。

■まとめ

オームの法則
・オームの法則とは、電圧、電流、抵抗、の関係を表した法則
・「 電圧(V) = 電流(I) × 抵抗(R) 」 → 「 V=IR 」

オームの法則(電流の測定)
・電流の測定を行うときは一旦回路を切り離し、テスターを回路の途中に入れて測定する。

単位について
・計算を行う時は、電圧(V)、電流(I)、抵抗(R)の単位を合わせから計算する。

ご注意
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