今回は、LEDの直列と並列繋について説明したいと思います。
■LEDの直列と並列繋ぎについて
LEDの直列と並列繋ぎについて説明したいと思います。
はじめに
前回、「 並列 」と「 直列 」に電子部品を接続した時に、回路上で電気の動きに違いがあると言うことを説明しましたが、今回は「 LEDを並列に繋いだ時 」と「 LEDを直列に繋いだ時 」の、回路上での電気の動きの違いについて説明したいと思います。
※ ここでは、抵抗値など細かな条件を無視しており、記載されている計算や数値はおおよその値となります。詳細な計算方法については下記「 LEDの直列と並列繋ぎの計算方法について 」で説明したいと思います。
LEDの使用条件
まず、LEDを使用するための条件に付いて決めておきたいと思います。
【LEDの使用条件】
・順方向電圧(VF) :2.0V
・順方向電流(IF) :20mA(0.02A)
この条件の場合、LEDを丁度良い明るさで点灯させるには、
電圧(V)は「 2.0V 」必要で、
電流(A)は「 20mA(0.02A) 」必要と言うことになります。
LEDの直列繋ぎについて
LEDの「 直列繋ぎ 」について説明したいと思います。
さくらさん、LEDを2個「 直列 」に繋げてもらっても良いですか。
こんな感じですか。
ありがとうございます。
この時、電源から供給される電圧(V)が「 5.0V 」だったとします。
単純に「 5.0V ÷ LED 2個 」なら、LED一つに対し、「 2.5V 」電圧(V)が使えそうとだなと言うことが何となく想像できると思います。
※ 抵抗などの細かな計算は割愛しております。
実際に計算すると、今回使用するLEDの順方向電圧(VF)は「 2.0V 」のため、
「 5.0V – (2.0V + 2.0V) 」で、「 1.0V 」余裕がある事が分かります。
余った「 1.0V 」ってどうするんですか?
余った「 1.0V 」は抵抗を入れることで「 電流(A) 」を調整していきます。
※ 調整方法については下記にて説明したいと思います。
抵抗で調整するんですね~。
そうですね。
さくらさん、今度はLEDを5個「 直列 」に繋げてもらっても良いですか。
こうですか。
ありがとうございます。
今回も、電源から供給される電圧(V)が「 5.0V 」だったとします。
この時、LED 1個に使える電圧(V)は「 何ボルト(V) 」になると思いますか。
この場合、「 5.0V ÷ LED 5個 」だから・・・。
LED一つに対して使える電圧(V)は、「 1.0V 」ですか?
正解です。さすがですね。
わ~い。正解した♪
でも、LED一個に対して「 1.0V 」しか使えないと、LEDって光らないんじゃないですか?
その通りですね。
今回使用するLEDは、「 順方向電圧 2.0V 」のため、LEDを丁度良く光らせるためには「 2.0V 」の電圧が必要になってきます。
でも、LEDを 5個連続で繋げた場合、電源供給が「 5.0V 」だと、LED 1個に対して「 1.0V 」しか使えないことになってしまいます。
では、LED 5個だと、供給電圧がどの程度必要かと言うと、「 順方向電圧2.0V × 5個 」なので、最低でも「 10.0V 」は必要ということになります。
乾電池なら7個分(約10.5V)使う必要があり、結構な量になってしまいますね。
そうですね~。
直列の特徴として「 電流値は変わらない 」のですが、電子部品を追加すれば追加した分 1個の電子部品に使用できる「 電圧が下がっていく 」ことが特徴になります。
LEDを直列に繋ぐときの注意点としては、「 電圧(V) 」が不足しないよう気を付けてください。
は~い。
【LEDを直列に繋ぐ時の注意点】
LEDを直列に繋ぐには、電圧(V)が不足しないよう注意する。
LEDの並列繋ぎについて
今度は、LEDの「 並列繋ぎ 」について説明したいと思います。
さくらさん、LEDを2個「 並列 」に繋げてもらっても良いですか。
こんな感じですか。
ありがとうございます。
この時、電源から供給される電流(A)が「 40mA 」だったとします。
この場合、「 40mA ÷ LED 2個 」のため、LED一つに対し、「 20mA 」使えることになります。
※ 抵抗などの細かな計算は割愛しております。
ちなみに、電流は「 分岐 」しても、再び合流すれば元の「 40mA 」に戻ります。
さくらさん、今度はLEDを5個「 並列 」に繋げてもらっても良いですか。
こうですか。
ありがとうございます。
今回も、電源から供給される電流(A)が「 40mA 」だったとします。
この時、LED 1個に使える電流(A)は「 何ミリアンペア(mA) 」になると思いますか。
この場合、「 40mA ÷ LED 5個 」だから・・・。
LED一つに対して使える電流(A)は、「 8mA 」ですか?
正解です。さすがですね。
わ~い。またまた正解した♪
これもさっきの電圧(V)の時と同じで、「 8mA 」しか使えないと、LEDは光らないんじゃないですか?
その通りですね。
今回使用するLEDは、「 順方向電流 20mA 」のため、
LEDを丁度良く光らせるためには「 20mA 」の電流(A)が必要になってきます。
でも、LEDを 5個並列で繋げた場合、電源供給が「 40mA 」だと、LED 1個に対して「 8mA 」しか使えないことになってしまいます。
では、LED 5個だと、供給電流がどの程度必要かと言うと、「 順方向電流 × 5個 」なので、最低でも「 100mA 」は必要ということになり、ここでも電池を沢山使用することになります。
並列の特徴として「 電圧値は変わらない 」のですが、電子部品を追加すれば追加した分 1個の電子部品に使用できる「 電流が下がっていく 」ことが特徴になります。
LEDを並列に繋ぐときの注意点としては、「 電流(A) 」が不足しないよう気を付けてください。
は~い。
【LEDを並列に繋ぐ時の注意点】
LEDを並列に繋ぐには、電流(A)が不足しないよう注意する。
ポイント!
・LEDを直列に繋ぐには、「 電圧(V) 」が高くならないよう注意する。
・LEDを並列に繋ぐには、「 電流(A) 」が高くならないよう注意する。
・LEDを沢山つなげたいときは、直列と並列を混ぜて回路を作ると効率が良い。
■LEDを直列と並列に繋げた時の抵抗について
LEDを直列と並列に繋げた時の「 抵抗 」について説明したいと思います。
先生~。LEDを並べて使いたい場合、「 抵抗 」って何個使ったらいいんですか?
「 直列 」と「 並列 」で、また使い方が変わるんですよね?
そうですね。
ワット(W)について
「 直列 」と「 並列 」の説明を行う前に、「 ワット(W) 」について触れておきたいと思います。
さくらさん、「 ワット(W) 」って言葉は聞いたことありますか。
はい。なんか電気の力みたいなものだったような気がしますが、詳しくは分からないです。
イメージとしては合っていると思いますよ。
良かった。
「 ワット(W) 」とは、簡単に言うと「 一定時間に消費する電力 」のことを言います。
単位は「 W 」と書いて「 ワット 」と呼びます。
【読み方の例】
1W(いちわっと)
100(ひゃくわっと)
15W(じゅうごわっと)
一定時間に消費する電力「 ワット(W) 」は、
「 ワット(W) = 電圧(V) × 電流(A) 」で導き出すことができます。
なぜ、今「 ワット(W) 」の説明を始めたのかと言うと、「 抵抗 」には使用できる「 ワット(W) 」の大きさが決まっているので、購入時に気を付けてもらいたいと思ったためです。
わかりました。
抵抗を購入する時に「 1/4W 」「 1/2W 」などと言う文字を見かけると思いますが、これが使用できる「 ワット(W) 」消費電力の大きさになります。
よく見ます。
なにかな~って思ってました。
「 1/4W 」「 1/2W 」の意味は、
1/4W は、「 1 ÷ 4ワット 」、つまり「 0.25ワット 」耐える。
1/2Wは、「 1 ÷ 2ワット 」、つまり「 0.5ワット 」耐える。
と言う意味になります。
【記載例】
1W = 1ワットまで耐える。
1/2 = 0.5ワットまで耐える。
1/4 = 0.25ワットまで耐える。
LEDを連続で繋げると、「 電圧(V) 」や「 電流(A) 」が高くなることがあるため、この「 ワット(W)数 」消費電力を超えないよう注意してください。
は~い。
また、一般的には使用するワット(W)数の約2倍程度の余裕をもって使用するのが良いとされています。
※ 余裕を持って使用することを「 ディレーティング 」ともいう。
【余裕の例】
抵抗の消費電力が「 0.05W 」の時は、2倍の「 0.10W 」以上の抵抗を使用するのが好ましいため、「 1/4W(0.25W) 」以上の抵抗を購入すると良いと言ことになります。
LEDを直列に使う場合の抵抗について
LEDを「 直列 」に接続して使う場合、抵抗は「 一か所 」で大丈夫です。
※ 「 一か所 」と言うのは、100Ωの抵抗を回路に入れたい時に「 50Ω+50Ω 」の抵抗2個で「 100Ω 」として使うこともあるため、「 一つ 」ではなく「 一か所 」という表現にさせてもらいました。
「 直列 」でLEDを繋げる場合、抵抗は「 一か所 」でいいんですね~。
「 直列 」は真っすぐに繋がっているため、一か所に抵抗を入れれば、全がその影響を受けます。
覚え方としては、
直列に繋がっている回路は、「 一か所断線したら、全て断線してしまう 」ように、「 一か所に抵抗を入れたら、全てがその影響を受ける 」と考えたら分かりやすいと思います。
※ 途中で分岐するような回路は別の考え方になります。
LEDを並列に繋げる場合の抵抗について
LEDを「 並列 」に接続して使う場合は、「 分岐した数だけ抵抗を入れる 」ようにしてください。
例えば、一つのLEDに対して「 100Ω 」の抵抗を使いたい時は、下図のように抵抗を複数入れるようにするのが「 正しい使い方(正解) 」になります。
こちらは「 正しくない使い方(不正解) 」ですが、100Ωの抵抗2個を「 200Ωの抵抗 1個 」で代用しています。
「 不正解 」の使用方法がダメな理由は、LEDは同じロットでもばらつきがあるため、手を抜いて大きな抵抗一つにすると、光の強さがバラバラになったり、最悪LEDが壊れてしまうことがあるためです。
ポイント!
・抵抗を購入する特は、ワット(W)の大きさに注意する。
・LEDを直列に繋げる場合、抵抗は1か所に入れればよい。
・LEDを並列に繋げる場合、抵抗は分岐した数だけ複数個所に入れる。(一か所ではダメ)
■LEDを沢山繋げたい時はどうするの?
LEDを沢山繋げたい時に、「 直列 」だと電圧が大きくなるし、「 並列 」だと電流が大きくなっちゃうなら、LEDを沢山繋げて使う時は電池を沢山使うってことですか?
いえいえ、「 直列 」と「 並列 」の長所を両方使ってあげれば良いんですよ。
どういうことですか?
LEDを沢山繋げたい時は、「 直列と並列を混ぜた回路 」を作ると、電圧(V)や電流(A)がどちらかに偏ってしまうことを防げます。
例えばこんな感じに繋げてあげたら良いと思いますよ。
※ 下図は、見た目は違うけど回路的には同じ構成になります。
へ~。こんな方法があるんですね。
そうですね。
後は、LEDの使用数や電池を何個使用するかなどを考慮し、「 計算 」しながら回路を作ってあげたら良いと思います。
えっ!?
計算・・・。
ポイント!
・LEDを直列に繋ぐには沢山繋げたい時は、「 直列 」と「 並列 」を混ぜた回路を作ると良い。
■まとめ
LEDの直列繋ぎと並列繋ぎ
・LEDを直列に繋ぐには、「 電圧(V) 」が高くならないよう注意する。
・LEDを並列に繋ぐには、「 電流(A) 」が高くならないよう注意する。
・LEDを沢山つなげたいときは、直列と並列を混ぜて回路を作ると効率が良い。
LEDの直列繋ぎと並列繋ぎの「 抵抗 」について
・抵抗を購入する特は、ワット(W)の大きさに注意する。
・LEDを直列に繋げる場合、抵抗は1か所に入れればよい。
・LEDを並列に繋げる場合、抵抗は分岐した数だけ複数個所に入れる。(一か所ではダメ)
LEDを沢山繋げたい時
・LEDを直列に繋ぐには沢山繋げたい時は、「 直列 」と「 並列 」を混ぜた回路を作ると良い。
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