電子工作入門

【電子工作入門】テスターの使い方について!

電子工作入門
先生
先生

今回は、テスターについて説明したいと思います。

■テスターについて

はじめに

先生
先生

電子工作を始めたばかりの方はテスターを持ってないし、そもそも触ったことが無い方も多いのではないでしょうか?

先生
先生

さくらさんはテスターを持ってますか?

さくら
さくら

いいえ、理科の実験で使ったことはあるけど自分では持ってません。

先生
先生

これからの講座ではテスターを使う機会が多くなると思いますし、持っていると”何かかっこいい”ので購入の検討をしてみると良いと思いますよ。笑

さくら
さくら

かっこいいって・・・

さくら
さくら

ちなみにテスターってどこで入手できるんですか?

先生
先生

「 電子部品や工具などの入手方法について! 」でも紹介しましたが、近所のホームセンターやネットショップなどで安価なものなら1000~3000円程度で入手出来ると思います。

さくら
さくら

なるほど。

先生
先生

今回は、「 テスターの使い方 」について説明して行きたいと思いますのでお付き合いください。

さくら
さくら

は~い。
よろしくお願いします。

先生
先生

よろしくお願いします。

テスターについて

先生
先生

テスターは、「 電気の大きさ(電圧) 」「 電気の流れ(電流) 」「 電気の抵抗(抵抗) 」などを測ることが出来る測定器になります。

測定器と聞くとテンションが上がるのは、私だけでしょうか。笑

さくら
さくら

先生だけだと思います・・汗

先生
先生

テスターは、主に下記のようなタイプが存在します。

・「 ハンディー 」と「 据え置き 」
・「 デジタル 」と「 アナログ 」
・「 高性能 」と「 低性能 」
・「 特殊機能付き 」

先生
先生

また、テスターを使用することで下記の測定や確認を行うことができます。

・抵抗値
・電圧値
・電流値(小)
・電流値(大)
・導通確認
・コンデンサの測定
・トランジスタの測定
・LEDの測定

※ 各タイプの説明と、簡単な測定手順については下記にて説明して行きたいと思います。

■テスターのタイプ

ハンディータイプと据え置きタイプ

先生
先生

「 テスター 」の呼び方は、「 テスター、デジタルテスター、マルチメータ、デジタルマルチメータ(デジマル) 」など色々な呼ばれ方をします。

先生
先生

ハンディータイプと据え置きタイプ、どちらをどのように呼ぶかの決まりはありませんが、 一般的に左のハンディータイプを「 テスター 」、右の据え置きタイプを「 デジタルマルチメータ(デジマル) 」と呼ぶ人が多い印象ですね。

さくら
さくら

そうなんですね。

先生
先生

ただ、左のハンディータイプも、「 デジタルマルチメータ 」として販売しているメーカもあるため、正解とか決まりとか無いのでは?と思っています。

ハンディータイプと据え置きタイプの違い

先生
先生

どちらも同じ測定を行っていますが、測定した時の「 精度が高く(測定時のずれが少ない、小数点以下の表示が多いなど)、高性能なもの 」が右側の「 据え置きタイプ 」になります。

※ 「 精度 」の説明は下記にて行いたいと思います。

先生
先生

電子工作を趣味で始めるなら、はじめは安価な「 ハンディータイプ 」を購入し、物足りなくなったら高性能の「 据え置きタイプ 」を購入したらよいと思います。

・ハンディー: 測定した時のズレが大きい。安価。
・据え置き : 測定した時のズレが少ない。高価。

デジタルとアナログ

先生
先生

テスターには「 デジタルテスター 」と「 アナログテスター 」があります。

先生
先生

「 デジタルテスター 」は数値がデジタル表示になっており、「 アナログテスター 」は針が ビヨーン と動き、 針の振れ方によって測定値を読むことが出来ます。

(左がデジタルテスター、右がアナログテスター)

デジタルテスターの特徴

・デジタル表示のため測定値を見やすい。
・扱いが容易。
・機能が豊富。

アナログテスターの特徴

・メータの反応が早いため直感的な判断に適している。
・針の振れ方で測定値を確認するため、正確な値を判断するのが難しい。
・電流や電圧の測定はテスターの電池が無くても測定できる。

テスターの性能(高性能と低性能)

先生
先生

テスターには「 高性能 」のタイプと「 低性能 」のタイプが存在します。

これから電子工作をはじめる方にそこまで高性能のテスターは必要ありませんが、今後の判断材料として参考にして頂けたらと思います。

さくら
さくら

性能の高い低いってどこで判断するんですか?

先生
先生

テスターの性能の高い低いは「 どれだけ正確に値を測定できるか 」で判断します。

先生
先生

正確に値を測定できるとは、「 より小さな値まで測定値を確認できること 」と「 測定値と実際の値にズレが少ないこと 」を指します。

さくら
さくら

どういうことですか?

より小さな値の測定とは?

先生
先生

「 より小さな値の測定 」とは、測定値の小数点以下の桁表示が多い物のことを言います。

先生
先生

小数点以下の表示が多いことを「 精度が高い 」、小数点以下の表示が少ないことを「 精度が低い 」とも言います。

測定値のズレってどうやって確認するの?

先生
先生

測定値と実際の値のズレの確認は「 校正(こうせい) 」と言う作業で確認します。

さくら
さくら

校正?

先生
先生

「 校正 」とは、基準器や基準となる製品と比べ、ズレを調整・設定することで修正していく作業のことを言います。

この校正作業は、テスターを購入したメーカなどに依頼し、年に1~2回程度行います。

さくら
さくら

「 校正 」は私もしたほうがいいんですか。

先生
先生

「 校正 」作業は、個人の電子工作レベルでは必要ありませんが、気になる場合は手持ちの部品や機器などを使用し、自分で簡単なズレの確認を行ったらよいと思います。

先生
先生

「 簡単なズレの確認 」とは、抵抗の場合なら、確認用の抵抗を10Ω、1kΩ、1MΩといくつか用意しておき、作業前に確認してから作業するなどになります。

※ 毎回同じもので確認すると変化が分かるので良いと思います。

さくら
さくら

なるほど~。
作業をする前に簡単な確認をしてから作業したいと思います。

テスターの特殊機能

先生
先生

テスターには「 電気の大きさ(電圧) 」「 電気の流れ(電流) 」「 電気の抵抗(抵抗) 」の測定以外意にも、様々な測定や確認が出来るものが存在するので、いくつか紹介したいと思います。

テスターで測定できる物一覧

・抵抗値測定
・電圧値測定
・電流値測定
・導通確認
・コンデンサ容量測定
・トランジスタ測定
・LED測定

■テスターの測定手順

先生
先生

テスターの簡単な測定手順をいくつか説明したいと思います。
似たような手順になってしまいますが、「 ロータリースイッチの位置 」や、「 テストリードの挿し方 」など微妙に変化していることを注意して読んでもらえたらと思います。

※ 詳細な測定手順については、別途実習時に詳しく説明したいと思います。

先生
先生

また、テスターは様々なメーカから色々な種類が発売されており、全ての機種の説明を行うのは難しいため、今回は安価で普及しているデジタルタイプの測定手順を紹介したいと思います。

先生
先生

今回説明するテスターの測定手順の内容は下記一覧になります。

【テスターの測定手順内容一覧】
・各部の名称
・各種記号
・抵抗の測定手順
・電圧の測定
 ・直流電圧の測定手順
 ・交流電圧の測定手順
・電流の測定
 ・直流電流の測定手順(電流小)
 ・直流電流の測定手順(電流大)
 ・交流電流の測定について
・導通確認

各部の名称

先生
先生

テスターの各部の名称を下図に記載します。

各種記号

先生
先生

テスターの各種記号を下図に記載します。

抵抗値の測定

先生
先生

抵抗値の測定を行う場合、テスター中央のロータリースイッチを「 左下の緑枠(Ω) 」に合わせます。

ロータリースイッチの目盛りを、大きい単位から、小さい単位に順番に測定していくため、「 2000k→200k→20k→2000→200Ω(オーム) 」と大きい単位から順番に確認してください。

先生
先生

何故ロータリースイッチの目盛りを大きい単位から合わせるのかというと、いきなり小さい単位に合わせると、テスターや部品が壊れてしまうためです。

先生
先生

「 テストリード(テスターに付ける赤と黒のケーブル状の部品) 」を準備します。

先生
先生

「 テストリード 」を赤は「 Ωマーク(VΩmA) 」黒は「 COM 」に挿しこんでください。

先生
先生

これで抵抗の測定が可能になります。

先生
先生

測定が終わったら、中央の「 ロータリースイッチ 」を「 OFF 」にするのを忘れないようにしてください。

電圧値の測定

先生
先生

電圧値(電気の大きさ)の測定は、「 直流(DCV) 」と、「 交流(ACV) 」の2種類存在するため注意してください。

直流の電圧測定(DCV)

先生
先生

「 直流(DC) 」の電圧測定を行う場合、テスター中央のロータリースイッチを「 左上の白枠(DCV) 」に合わせます。
※ 最大の単位は「 1000V 」

先生
先生

「 テストリード(テスターに付ける赤と黒のケーブル状の部品) 」を赤は「 Vマーク(VΩmA) 」黒は「 COM 」に挿しこんでください。

先生
先生

これで直流電圧(DCV)の測定が可能になります。

先生
先生

測定は、「 1000→200→20→2000m→200m DCV(直流電圧) 」と大きい単位から順番に確認してください。

先生
先生

測定が終わったら電源をOFFにすることを忘れないよう注意してください。

交流の電圧測定(ACV)

先生
先生

交流(AC)の電圧測定を行う場合、テスター中央のロータリースイッチを「 右上の白枠(ACV) 」に合わせます。
※ 最大の単位は「 750V 」

先生
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「 テストリード(テスターに付ける赤と黒のケーブル状の部品) 」を赤は「 Vマーク(VΩmA) 」黒は「 COM 」に挿しこんでください。

先生
先生

これで交流電圧(ACV)の測定が可能になります。

先生
先生

測定は、「 750→200 ACV(交流電圧) 」と大きい単位から順番に確認してください。

先生
先生

測定が終わったら電源をOFFにすることを忘れないよう注意してください。

電流の測定

先生
先生

直流(DC)の電流値(DCA/電気の流れ)の測定方法は、「 電流値(10A) 」と、「 電流値(200mA~200μA) 」の2種類存在するため注意してください。

先生
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測定は、「 電流(10A) 」→「 電流(200mA~200μA) 」と大きい単位から順番に確認してください。

※ 200mAは、0.2A。200μAは、0.0002Aになります。

直流の電流(10A)の測定(DCA)

先生
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直流の電流(10A)の測定を行う場合、テスター中央のロータリースイッチを「 右下の赤枠(10A) 」に合わせます。
※ 最大の単位は「 10A 」

先生
先生

「 テストリード(テスターに付ける赤と黒のケーブル状の部品) 」を赤は「 10ADCマーク 」黒は「 COM 」に挿しこんでください。

先生
先生

赤いテストリードは、「 他の測定時とは違う場所に挿しこんでいる 」ので注意してください。
ほとんどのテスターやマルチメータ―で、電流は「 大電流 」と「 小電流 」でテストリードの挿し込む位置を変えて測定する仕様になっています。

先生
先生

これで直流電流10A(DCA)の測定が可能になります。

先生
先生

測定は、「 10A 」をの測定を行い、単位が大きすぎた場合は下記の電流「 200mA~200μA 」の測定手順という順番で確認してください。

先生
先生

測定が終わったら電源をOFFにすることを忘れないよう注意してください。

直流の電流(200mA~200μA)の測定(DCA)

先生
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直流の電流(200mA~200μA)の測定を行う場合、テスター中央のロータリースイッチを「 右側の緑枠(DCA) 」に合わせます。
※ 最大の単位は「 200m 」

先生
先生

「 テストリード(テスターに付ける赤と黒のケーブル状の部品) 」を赤は「 mAマーク(VΩmA) 」黒は「 COM 」に挿しこんでください。

先生
先生

これで直流電流200mA~200μA(DCA)の測定が可能になります。

先生
先生

測定は、「 200m→20→2000μ→200μ DCA(直流電流) 」と大きい単位から順番に確認してください。

先生
先生

測定が終わったら電源をOFFにすることを忘れないよう注意してください。

交流の電流測定(ACA)

先生
先生

今回のテスターには交流電圧の測定機能はありませんが、「 交流電流(ACA) 」にロータリースイッチを合わせ、その他の測定と同様の手順で測定することが可能になります。

※ 今回紹介したテスターに交流電流の測定機能はありません。

導通確認

先生
先生

「 導通確認 」とは、回路やケーブルが断線していないことを確認するための作業になります。

テスターの種類によって多少扱いが異なりますが、下記「 導通記号 」にロータリースイッチや設定を合せることで導通の確認を行うことが出来ます。

※ 今回紹介したテスターに導通機能はありません。

先生
先生

個人的には、断線しているか断線していないかの確認は、抵抗値を測定することでも確認できるため、「 抵抗値 」で「 導通確認 」を行うことをおすすめします。

抵抗値で導通確認を行うのをおすすめするのは、問題があった場合「 断線の確認と抵抗値の大きさ 」の二つを同時に確認出来る為です。

先生
先生

今後、職場や学校などで「 回路の断線確認 」を依頼をされる場合、「 導通の確認 と 抵抗の値の確認 」をセットで確認依頼されるシーンがある思うので、今のうちから両方確認するよう習慣にしておくと良いと思います。

やってはいけないこと、気を付けること!!

先生
先生

最後に、テスターを使用する際は、下記に気を付けて使用してください。

※下記についてはメモして、慣れるまで確認しながら作業することをお勧めします。

・測定は、大きな単位から測定を行う。
・製品や回路の電源を入れたまま抵抗(Ω)を測定しない。
・電流(A) と 電圧(V)を間違えない。
・直流(DC) と 交流(AC)を間違えない。
・測定する目盛りの大きさを間違えない。

■まとめ

テスターについて
・ハンディータイプと据え置きタイプがある。
・デジタルタイプとアナログタイプがある。
・性能には高い低いがある。

テスターを扱う際の注意事項!
・測定は、大きな単位から測定を行う。
・製品や回路の電源を入れたまま抵抗(Ω)を測定しない。
・電流(A) と 電圧(V)を間違えない。
・直流(DC) と 交流(AC)を間違えない。
・測定する目盛りの大きさを間違えない。

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