【電子工作入門】LED（発光ダイオード）について！

今回は、LED（発光ダイオード）について説明したいと思います。

さくらさん、「　LED（発光ダイオード）　」ってご存じですか。

可愛らしい・・　そうですね。汗

その、ぴかぴか光る“可愛らしい”「　LED（発光ダイオード）　」は、電子工作を学ぶときの「　基礎　」となる電子部品になります。

「　LED（発光ダイオード）　」の扱いをしっかりと身に着けることで、次へのステップアップに繋げることが出来ますし、視野を格段に広げることが出来るようにもなります。

今回、内容が少し難しくなってしまうかも知れませんが、「　LED（発光ダイオード）　」の扱いを理解することはとても大切なことなので、しっかり理解できるまで何度も読み直してもらえたらと思います。

なるべく分かりやすく説明したいと思いますので一緒に頑張りましょう。

よろしくお願いします。

「　LED（発光ダイオード）　」について、以前説明した内容を下記にまとめてみましたので、おさらいとして目を通してみてください。

「　LED（発光ダイオード）　」を扱う時にやってはいけないこと、注意することについて説明したいと思います。

「　LED（発光ダイオード）　」は、プラス・マイナスの「　極性　」があるため、逆方向に接続しないよう注意してください。

必ず、「　アノード(＋)・カソード(－)　」を確かめてから接続するようにしてください。

「　LED（発光ダイオード）　」を直接電池に接続すると、電流（A）が一気に「　LED（発光ダイオード）　」に流れ込んでしまうため、必ず抵抗を入れるようにしてください。

「　データシート　」を確認してLED（発光ダイオード）の仕様を確認してください。

※　「　データシート　」とは、電子部品の取扱説明書のようなもの。

「　データシート　」とは、「　電子部品の取扱説明書　」のようなものになります。

そう言えば、「　データシート　」についてまだくわしく説明したことが無かったですね。

折角なので、「　データシート　」について下記にて説明したいと思います。

「　データシート　」とは、製品の細かな仕様が記載してある書類やデータのことです。

簡単に言うと、「　電子部品の取扱説明書　」のようなものですね。

そうですね～。

例えば、製品の寸法や、電子部品を使用する時に、どのくらいの電圧（V）電流（A）で使用するのが良いか、使用できる電圧（V）電流（A）の最大値/最小値などが記載されています。

例えば・・・

下図は、「　LED（発光ダイオード）　」のデータシートの一部で「　順方向電圧　」について書いてある箇所になります。

※　「　順方向電圧　」については下記にて説明致します。

下図は「　LED（発光ダイオード）　」のデータシートの一部で「　寸法　」について書いてある箇所になります。

下図は「　LED（発光ダイオード）　」のデータシートの一部で、順方向電圧の特性試験をした時の「　グラフ　」について書いてある箇所になります。

このように、「　データシート　」は電子部品の細かな仕様が記載してある「　取扱説明書　」のようなものになります。

「　データシート　」は、インターネットで電子部品を購入する場合は、購入するページに「　データシートのリンク　」があると思います。

また、電子部品の「　メーカ名　」と「　型番　」が分かれば、インターネットの検索で調べることが出来ると思います。

ただ、インターネットの検索で全ての「　データシート　」が入手できるとは限らないため、電子部品を購入する際は「　データシート　」が入手できるものを選んで購入することをおすすめします。

試しに、「　LED　データシート　」「　＊＊＊（部品名）　データシート　」などと検索すると、色々なデータシートが見られるので、どんなものか一度見てみると良いですよ。

日本語表記の「　データシート　」もありますが、残念なことにデータシートは英語表記の物が多いですね。

データシートの説明ついでに、電子部品の「　定格　」についても説明したいと思います。

電子部品には「　定格　」というものが存在します。

「　定格　」とは、簡単に言うと「　部品を適正に使用するための条件　」になります。

また、「　定格　」よりも厳しい「　絶対最大定格　」というものも存在します。

「　絶対最大定格　」は、「　絶対に超えてはいけない値　」「　一瞬でも超えてはいけない値　」のことを言います。

そうですね。

「　絶対最大定格　」は、「　一瞬でも超えてはいけない値　」のため、回路を設計する際は、「　絶対最大定格　」を絶対に超えないよう、余裕をもって設計をしてあげる必要があります。

他にも、適正な条件で部品や製品を使用した時の出力のことを「　定格出力　」。適正な入力値などを「　定格入力　」とも言います。

「　定格　」は通常データシートに記載してあります。

そうですね。

「　データシート　」については、もう少し色々なことを理解してから、改めて説明したいと思います。

LED（発光ダイオード）の「　順方向電圧（VF）　と　順方向電流（IF）　」について説明したいと思います。

「　順方向電圧（VF）　」とは、簡単に言うと「　LEDを使用（光らせる）するために必要な電圧（V）　」のことです。

「　VF　」の「　V　は、電圧（Voltage）　」を表し、「　Fは、順方向（Forward）　」を表しています。

「　順方向電圧（VF）　」の特徴は下記になります。

下図のデータシートでは、「　順方向電圧（VF）　」は「　2.1V（Typ）　」で、「　1.8V～2.6Vの範囲を超えないように　」と書かれています。

余談になりますが、下図の「　Typ　」と言う略語をデータシートでよく見かけますが、「　Typ　」は「　Typical　」の略になります。

「　Typ　」はMaxとMinの間に記述してあるため、よく「　平均値　」と思われがちですが、「　標準値、又は代表値　」という意味が正解です。

「　平均値　」を「　Typ　」としているのか、「　中央値　」を「　Typ　」としているのか、何をもって「　Typ（標準値、又は代表値）　」としているのかは各メーカの基準によって異なるため不明です。

個人で電子工作をしているだけなら大きな差はありませんが、後々仕事や何かのデータをまとめる日が来た時に、「　Typ　」の扱いに気を付けてもらえればと思い紹介させてもらいました。

「　順方向電流（IF）　」とは、簡単に言うと「　LEDを使用（光らせる）するために必要な電流（A）　」のことです。

「　IF　」の「　　Iは、電流（Intensity of electric current）　」を表し、「　Fは、順方向（Forward）　」を表しています。

「　順方向電流（IF）　」の特徴は下記になります。

下図のデータシートは、「　順方向電流（IF）　」を「　20mAで測定した時の結果です　」と書いてあります。

「　20mAで測定した時の結果です　」と言うことは？

「　順方向電流（IF）が　20mA　」の時に、「　Typ＝2.1V　」でしたと言うことになります。

逆に言えば、「　順方向電流（IF）　」を「　20mA　」にしなければ、上の表は使えないよとも言えます。

分かりやすく言うと。

LEDを光らせるための電流（IF）は「　20mA　」に調整してね。

そしたらLEDを光らせるために必要な電圧（VF）は「　2.1V　」だよって書いてあります。

「　順方向電流（IF）　」が増えると、「　順方向電圧（VF）　」も増えて行き、

「　順方向電流（IF）　」が減ると、「　順方向電圧（VF）　」も減って行きます。

「　順方向電流（IF）　」を「　20mA　」以外でLEDを使用したい場合は、データシートのグラフを読み取ることで確認できます。

そうですね。

LEDを光らせるだけでも様々な知識が必要になるため、LEDの扱いをしっかりと覚えれば、他の電子部品の扱いにも応用が利くため、早めのうちにしっかりと身に着けたら良いと思います。

LEDには、「　順方向電圧（IF）　」の反対の「　逆方向電圧(VR)　」というものもあります。

※　逆向電圧は、逆耐圧とも言う。

「　VR　」の「　　Vは、電圧（Voltage）　」を表し、「　Rは、逆方向（Reverse）　」を表しています。

「　逆方向電圧(VR)　」とは、「　LED逆の方向に加わる電圧を耐える　」ことを意味します。

逆方向電圧（VR）は、通常「　4～5V程度まで流れをせき止める（耐える）　」ことが出来ます。

そして、4～5Vを超えると一気に電気が流れ込み「　LEDが壊れます　」。この状態を降伏現象などとも言います。

また、電気を逆方向に流さない特徴を利用し、回路の保護などに役立てています。

そうですね。結構簡単に壊れてしまうため、保護回路に使用する場合は「　データシート　」で「　逆方向電圧(VR)　」の使用可能範囲を確認してから使用してください。

LEDを点灯させるための計算方法について説明したいと思います。

※　LEDの計算については、今後も何度も出てくるので、ゆっくり覚えて行ったらよいと思います。

LEDを点灯させるには、LEDを「　丁度良い明るさで点灯させてあげる　」必要があります。

暗すぎても、明るすぎてもダメと言うことです。

LEDを「　丁度良い明るさで点灯させてあげる　」ためには、LEDに「　丁度良い電気　」を供給してあげる必要があります。

丁度良い電気とは、「　電圧（V）　」と「　電流（I）　」の大きさが丁度良いと言うことです。

データシートや仕様書などの「　順方向電圧（VF）　」と「　順方向電流（IF）　」の欄を確認して判断することが出来ます。

上の表では、「　順方向電圧（VF）は標準値（Typ)　2.1V　」、「　順方向電流（IF）は　20ｍA　」と書かれています。

言い換えると、LEDを点灯させるために電圧（V）は「　2.1V　」使います。電流（A）は「　20ｍA　」が丁度いいよという意味になります。

電圧（V）と電流（I）の調整は、「　抵抗（R）　」の値を変えることで調整します。

使用する「　抵抗（R）　」の大きさは、以前説明した「　オームの法則　」によって導き出すことが出来ます。

そうですね。笑

LEDを点灯させるために丁度良い抵抗の値を決めるには・・・皆さん嫌いな計算です。笑

と言っても、そんなに難しくないので目を通してみてください。

今回は下図のような回路の時、「　何Ω（オーム）の抵抗を使ったらよいか　」考えてみましょう。

LEDの使用条件を調べてみましょう！

ではさくらさん、「　データシート　」と「　回路図　」を確認して、下記LEDの使用条件①～③の3つを調べてみてください。

そうですね。

順方向電流（IF）の単位もしっかり合わせてあるところは流石ですね。

ここでの注意点は、「　20mA　」は、「　0.02A　」に単位を合わせたとこころがポイントになります。

計算を行う時は、「　mV　」や「　mA　」などの単位を「　V　」や「　A　」に合わせると計算が楽になります。

「　抵抗（R）　」の使用する「　電圧（V）　」を計算してみましょう！

LEDを使用（光らせる）するために必要な電圧「　順方向電圧（VF）　」は上記で「　2.1V　」と言うことが分かっています。

また、「　乾電池（電源）　」は「　3.0V　」と言うことも分かっています。

では、抵抗で使用する電圧は何Vになると思いますか？

そうですね。

乾電池は「　3.0V　」で、LEDを光らせるために「　2.1V　」使ってしまうため、残った「　0.9V　」を抵抗で使用することになります。

「　抵抗（R）　」を計算してみましょう！

ではさくらさん、オームの法則に当てはめて「　抵抗（R）　」を計算してみてください。

大変よく出来ました。

順方向電圧＝2.1V、　順方向電流＝20mA、のとき、「　抵抗　＝　45Ω　」で丁度よくLEDを点灯させることが出来ることが分かりましたね。