【電子工作入門】トランジスタの動きと、npn型・pnp型について説明！

今回は、トランジスタの動きと、npn型・pnp型について説明したいと思います。

トランジスタの「　npn型　」と「　pnp型　」について説明したいと思います。

トランジスタの話をする前に簡単に「　npn型　」と「　pnp型　」について説明したいと思います。

また、面白い所を気にしますね。笑

「　n　」や「　p　」は、「　半導体の型　」のことですね。

そうですね～、半導体は・・

ある条件によって電気を通す物質を「　半導体　」と言います。

また、電気を通す物質のことを「　導体　」、電気を通さない物質のことを「　絶縁体　」と言います。

「　半導体　」を作る時の材料は「　シリコン　」を使用することが一般的で、なぜシリコンを使用するかと言うと地球上に沢山ある元素だからだそうです。
（確か、酸素が一番でシリコンは二番目）

「　n型とp型　」に話を戻しますが、n型は「　negative型半導体　」の略で、p型は「　positive型半導体　」の略になります。

「　n型　」は電子が余っていて、「　p型　」は電子が不足しています。

電子が余っているものと、電子が不足している状態のものを隣に並べたらどうなると思いますか。

そうですね。

「　n型　」と「　p型　」の半導体を隣り合わせた状態で加工した部品に、電気のプラス・マイナスの向きを変えると、電気が流れたり流れなかったりする現象が発生するので、この性質を利用し電子部品を作る時にも役立てています。

LED（発光ダイオード）もこの原理を利用しているので、一方向に電気を通す特徴を持っています。

LED（発光ダイオード）は「　n型とp型　」二つの半導体を利用して作られているため足が2本ですが、

「　トランジスタ　」という部品は「　npn型　」と「　pnp型　」と三つの半導体の組み合わせで作られているため、下図のように足が3本ある状態になります。

どのような動きをするかは「　トランジスタについて　」で説明したいと思います。

n型p型の話をこのまま続けると、とても長くなってしまうので今回はここまでにしておきます。

トランジスタについて説明したいと思います。

（バイポーラトランジスタ）

「　トランジスタ　」については、初めのころに少し説明したことがあるので少しおさらいしてみたいと思います。

トランジスタとは、「　小さな電流で　大きな電流を　コントロールする部品　」になります。

よく入門書などで、「　トランジスタ　＝　増幅　」という説明を見かけますが、厳密に言うと「　増幅はしていません　」。

分かり易いので増幅と覚えてもらっても良いですが、
これからする説明を聞いたら「　トランジスタ＝増幅ではなく　」、トランジスタは「　小さな電流で　大きな電流を　コントロールする部品　」ということが分かると思います。

トランジスタには足が3本あり、それぞれを「　エミッタ　」「　コレクタ　」「　ベース　」と呼んでいます。

このエミッタ、コレクタ、ベースの「　電流の動き方　」についてこれから説明したいと思います。

※　今回は「　npn型　」の説明をしたいと思います。

下図のような回路があったとします。

※　理解しやすくするため、抵抗など詳細は無視しています。

まず、ベース側（左側）の回路に小さな電流を流します。

すると、それにつられてコレクタ側（右側）の回路の大きな電流が動き出します。

今度はベース側（左側）の電流を停止させます。

すると、それにつられてコレクタ側（右側）の回路の大きな電流が停止します。

このように、ベース側（左側）の小さな電流の動きを操作することにより、コレクタ側（右側）の大きな電流を「　コントロール　」することができるのがトランジスタです。

「　コントロール　」しているだけなので、「　増幅　」とは少し違いますよね。

なぜ「　トランジスタ　＝　増幅　」と言う人が多いかと言うと、トランジスタは「　増幅させる回路に使う　」からです。

例えば小さな声でマイクに向かってしゃべるとします。

それが先ほどの左側の小さな電流（電気信号）だとします。

すると、その小さな電流（電気信号）につられ、今度は右側の大きな電流が動きます。

この大きな電流の方をスピーカーだとしたら、小さな声が大きくなりますね？

そのため、「　小さな声を大きく増幅している装置　」＝トランジスタは増幅？　と勘違いしてしまう要因になっているのです。

ここの違いを理解していないと、トランジスタは「　さっぱり？？　」になるためしっかと理解しましょうね。

ここまでの内容を整理すると、トランジスタは「　小さな電源(V1)　」で「　大きな電源(V2)　」をコントロール（スイッチング）する部品になります。

言い換えると、大きな電源(V2)の電流が流れないようストップさせておき、小さな電源(V1)の電流で「　コントロール（スイッチング）する部品　」になります。

コントロール（スイッチング）は、電源のON/OFFもできますし、電流の量も調整可能です。

簡単に「　pnp型トランジスタ　」についても少し触れておきたいと思います。

pnp型は、回路記号をよく見ると分かるのですが、矢印の向きが違います。

回路図的には下図のような流れになります。

ついでに「　接地　」についても少し触れておきたいと思います。

トランジスタには足が3本ありますが、その足の接続の仕方（トランジスタの使い方）によって3つの呼び方があります。

下図の回路は、npn型トランジスタの「　エミッタ接地回路　」になります。

トランジスタの動きについて掘り下げて説明したいと思います。

さきほど、「　左側の小さな電流で右側の電流をコントロール　」すると言いましたが、左側の小さな電流のことを「　ベース電流　」と言います。

ベース(B)からエミッタ(E)へ電流を流すことにより

コレクタ(C)からエミッタ(E)に電流が流れるようになります。

また、ベース電流(B)を大きくすると、それに比例してコレクタ電流(C)も大きくなります。

どれくらいの差があるかというと、

左側に流した小さいベース電流(IB)の「　hFE倍　」が　右側の大きいコレクタ電流(IC)に流れます。

「　hFE　」とは、直流電流増幅率（ベース電流(IB)とコレクタ電流（IC）の比率こと）を言います。

「　hFE（直流電流増幅率）　」が「　hFE 100　」なら100倍、「　hFE 10　」なら10倍違います。

一般的には、100倍程度を使用することが多いです。

そうですね。

トランジスタを購入する時は、このhFE（直流電流増幅率）を使用用途によって選んでください。

コレクタ電流（IC）は、ベース電流（IB）のhFE（直流電流増幅率）倍と説明しましたが、その他の関係性についても説明しておきたいと思います。

VBEとは、「　ボルト・ベース・エミッタ　」の略で、「　ベースとエミッタ間に掛かる電圧　」のことです。

簡単に言うと、トランジスタを使うために必要な電圧(V)ですね。

また、「　コレクタとエミッタ間に掛かる電圧　」のことを、「　VCE　」と言います。

シリコン製のトランジスタでは、ベース電流(IB)に電流が流れていれば、VBEはほぼ一定の「　約0.7V　」になる特徴があります。

理由は、グラフで表すと下のグラフのように、VBEが0.7Vを超える辺りで、一気に垂直になり、その後ほとんど変化しない特性のためです。

トランジスタは

「　増幅回路に使用する　」

「　小さな電流で　大きな電流を　コントロール（スイッチング）する部品　」

ということを理解いただけたでしょうか。